Research

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主な研究テーマ / Main Research Topics

福島第一原発事故被災地の復興まちづくりに関する研究
Community Recovery in areas affected by the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident

帰還・移住後の日常生活の状況、集落運営の状況等について、住民の方へのインタビュー調査等を行っています。帰還した住民、帰還できない住民、帰還しない住民等、被害者の現状が多様な中で、生活環境を再構成していく途上に今なおあり、参与観察の中から、その過程と課題を明らかにしたいと考えています。

2020年度からは、復興事業や復興過程の空間計画を検証する研究に着手しています。避難指示区域を対象に、被災と復興政策等による土地利用変化の実態把握とその背景にある空間計画とそれに関わる制度上の課題を明らかにし、福島原発事故被災地の生活環境、土地利用秩序の再構築のための空間計画や政策のあり方への知見を得たいと考えています。

東日本大震災津波被災地の復興都市計画と産業復興に関する研究
Relationship between Post-disaster Urban Planning and Business Recovery in the areas affected by the Great East Japan Earthquake and Tsunami

東日本大震災の津波被災市街地を対象に、個別の企業(個人事業主を含む)がどのような再建プロセスを辿っているかを探ることで、復興都市計画のあり方を再考する研究を行ってきました。

災害後の復興都市計画は、事業者の再建にも様々な影響を及ぼしています。近年の復興都市計画では産業活動よりも住まいの再建に重点が置かれてきましたが、住まいと並び重要な、産業活動の復興という観点からも復興都市計画の検証が必要であると考えています。計画策定と空間整備を担う自治体の視点と、自身の生産活動の再建を行う個別の企業の視点からの検証が必要です。

災害後の産業用仮設施設に関する研究
Temporary Facilities for Private Business after Disasters

災害からの産業の復興過程においては、各事業者にとって、営業に必要な資金確保、従業員の確保、需要の変化や取引先の動向への対応等が課題になります。さらにこれらに加え、物理的な面では、設備、建築物等の損壊を受けて、その修復あるいは新たに確保することが大きな課題です。

応急建築物(Emergency architecture)による暫定的な復旧はその対応策の一つであり、多くの災害後の復興過程で取られてきた手段でもあります。過去の事例に比べ、東日本大震災(2011 年)で行われた産業用仮設施設への公的支援は、様々な点で幅広く展開されました。その後、東日本大震災より後の災害においても、東日本大震災時の事業制度を基にした産業用仮設施設の整備が行われています。

都市計画と産業復興の両面から、産業用仮設施設の役割と課題について検討しています。

人流データを活用した都市デザイン・マネジメント研究
Urban design and management using human flow data

2021年度に所属した研究室では、公共的空間における人流計測を行っており、その定量的な分析を担当しました。レーザー光で計測された人の軌跡のビッグデータを、機械学習の方法を取り入れながら、公共空間の利用の状態を分類する手法について、査読付き学術論文として発表しました。

また、スマートシティが提唱される中で、都市のセンシングを都市デザインやエリアマネジメントに活用するあり方を検討しています。

都市のビッグデータの活用は、建築設備や環境技術、或いは交通計画の分野でやや先行していますが、特にセンサーの低価格化を機に、社会実験や設計、調査時だけでなく、常時のセンシングが広がっていきます。常時得られるデータの活用は、建築や都市の活動やマネジメント、まちづくりを大きく変化させていく可能性を秘めており、実装の可能性を探究していきたいと考えています。